水質管理

当院では「透析液清浄化ガイドライン」に基づき水質管理を行っています。血液透析中には数リットルの透析液が血液中に出入りするため、透析液の汚染は重大な問題となります。透析液の汚染によりアミロイド物質の産生が増加することは一般的に知られており、アミロイド物質の蓄積が手根管症候群やアミロイド骨関節炎などの長期合併症を起こす原因となります。また透析液の汚染により慢性的な炎症が起き、栄養障害や動脈硬化を引き起こすMIA症候群も大きな問題になっています。 さらには、オンラインHDFでは透析液をそのまま置換液として用いるため、ダイアライザーを介せず直接患者様の血液中に透析液が入りますので、水質基準はさらに厳しいものが設けられています。 この様な透析液の汚染による問題を回避するために水質管理は必須です。当院では医療機器安全管理委員会の中の水質管理委員会を毎月開催し、日本透析医学会の「透析液水質基準」に基づき厳密な水質管理を行なっています。

一般的な血液透析における透析液の基準;標準透析液(standard dialysis fluid)
細菌数100CFU/mL 未満
ET 0.050EU/mL 未満
 
オンラインHDFにおける透析液の基準;超純粋透析液(ultra-pure dialysis fluid)
細菌数0.1CFU/mL 未満
ET 0.001EU/mL 未満(測定感度未満)