外来部門

〜保存期慢性腎不全、糖尿病性腎症、検診で異常を指摘された患者様へ〜

当院では慢性腎臓病(CKD)を尿異常があるだけの初期から、透析や腎移植が必要な末期まで、トータルに診療する体制を整えております。

慢性腎臓病(CKD)とは慢性に経過するすべての腎臓病のことをいいます。腎臓病は初期には何の症状もなく、検査をしないと気付きませんが、実は患者さんは1,330万人(20歳以上の成人の8人に1人)いると考えられ、新たな国民病ともいわれています。

生活習慣病(高血圧、糖尿病など)や、メタボリックシンドロームとの関連も深く、誰もがかかる可能性のある病気です。 腎臓は老廃物を尿にこし出したり、体液量の調整、血圧の調整など、身体を正常に保つ働きをしているので、慢性腎臓病(CKD)によって腎臓の機能が低下し続けることで、さまざまなリスクが発生します。

繰り返しますが、CKDの恐いところは、初期には何の症状も出ないので、油断して放置していると、症状が出た時にはもう透析をやらないといけない状態まで悪化していることがある、というところです。

しかし、初期に発見できて、きちっと専門医に通院をしていれば、薬物療法による治療や食事療法などの生活上の管理で、進行を止めたり遅らせたりすることが出来ます。

以下に当てはまる方は、当院の診療対象に当てはまります。

1. 検診で尿の異常、腎機能低下を指摘された方
2. むくみが気になる方
3. 糖尿病で、尿蛋白が出ていると言われた方
4. 腎臓が悪いと言われているが、専門医にみてもらったことがない方

慢性腎臓病(CKD)は放置しておくと末期腎不全に移行し透析へ至る他、CKDの患者さんたちは動脈硬化をおこしやすいため、心筋梗塞や脳卒中(心血管合併症)になりやすいことが分かっています。
CKDの管理は透析に至らないようにすることはもちろんのこと、心血管合併症を予防する意味でも重要です。治療の基本は食事療法となりますので、当院では管理栄養士(常勤3名)にも治療に参加してもらい、よりきめの細かい管理を行っています。また、検査室(臨床検査技師 常勤4名)も備えているので、蓄尿などの精密検査も含めて、その日のうちに検査結果が出るため、病状に合わせて迅速な対応が可能です。

しかしながら、進行した腎不全の回復・進展防止は、現在の医学でも限界があり、中には透析治療が必要になる方もおられます。当院では内シャントの作成から透析導入、更にはご希望の方には腎移植のご相談や、コーディネートまで対応させて頂いております。

当院では尿異常から腎不全までをトータルに診療し、腎臓病の専門的な治療はもとより、合併する他の疾患の予防と治療をあわせて行います。患者様のからだ全体に気を配ることのできる全人的治療を心がけております。